









音楽之友社は1916(大正5)年にその前身が「音楽と文学」を創刊、1941(昭和16)年12月、音楽世界社、月刊楽譜発行所、管楽研究所の合併により設立され、同年から社名を「音楽之友社」に変更し、以降「音楽の友」などの雑誌はもとより楽譜・書籍・理論書・教材などを発行するクラシック音楽の総合出版社です。
当社のオンデマンド(一部単位の楽譜注文)サービスは自社内制作で対応していましたが昭和50年代当初から受注が増え始め、その限界も感じていました。そのような事情から小部数での重版のサービスには興味を持っていました。しかしながら、品質・コスト面の両方で当社の希望を叶えてくれる会社にはなかなか巡りあえず、必要なものはやむなく判型や仕様を変更し初版と異なるオンデマンド版にかえて対応していました。
錦明印刷で同様のサービスに力を入れていると聞き、相談してみたところコスト面・印刷の品質・製本の仕様等当社の希望がかないそうなことがわかり、何度もテストを重ねた結果、初版のオフセット印刷に近いものをコストを抑えて増刷することができるようになりました。
おかげで、なかなか増刷をかけることができなかった楽譜や書籍も少しずつ部数を刻みながら重版することができるようになりました。印刷の仕上がりもこれまでのオンデマンド版とは全然レベルが違い、従来のオフセットでのシリーズに近い形でお届けすることができるようになり非常に満足しています。

酣燈社は昭和21年3月創業、月刊「航空情報」を昭和26年10月に創刊。以後航空関係の雑誌、ムック、書籍を中心に発行している出版社です。
最初、この「小ロット書籍サービス」という話を聞いたときに、すぐにこの「中島飛行機エンジン史」という自社の本が頭に浮かびました。この本は1985年に初版が発行し、その後も読者から注文の問い合わせが度々ありましたが、まとまった部数の見込みがたたず、残念ながら増刷を見送っていました。
それが、錦明印刷の話を聞くと、コスト面、品質面、原稿準備の面でも増刷が可能とわかり、2011年に増刷、その後さらに増刷を繰り返しています。
増刷して一番良かった点は、読者に新装版として「新しい本」を提供できたという事です。調べてみたところ、増刷する以前はこの本がインターネット上で古書にも関わらず、今の売値の数倍で取引されていたようです。読者の方へ「きれいな本」を「適正価格」で提供できるのは、出版社として何よりの喜びです。


多くの出版社の方とお話していますが、「必要な小部数で重版をかけたくても原価計算があわない」、「原価計算を優先すると必要以上に部数を作ることになり、無駄に在庫を持つことになる」など、顧客ニーズがあるのに本を作れないというお悩みは尽きません。
このお悩みを解決するために、いわゆる「オンデマンド印刷」を試してみる出版社様がここ数年増え、少しずつ「オンデマンド版書籍」を見かけるようになったものの、どうもその後はその点数が増えず、あまり積極的ではないように感じます。
その理由は、コスト面以外にも、一言で言えば「日本の出版文化の多様性・こだわり」に対応できる小ロットサービスが確立されてないことではないかと思います。
オンデマンド版にしたときの印刷文字の太り、真っ黒な写真、チープな製本仕上がり・・・など、出来上がった本を手にされると、次回もこれで作ろうと思うご担当者様は少ないのかもしれません。
そこで来年、創業100年をむかえる弊社は、これまで出版社様とのお取引のなかで感じた様々な「こだわり」を、デジタル印刷でもお応えできるよう「オフセット印刷と同様のクオリティの実現」を目標にかかげ、まずはお付き合いのある出版社様を中心に「小ロット書籍」のお手伝いをしてきました。
その結果、「この値段なら」「この品質なら」と、徐々にご採用いただく出版社様が増え、著者の買い取り分のみの製作やセミナー等で使用するため必要ページだけを本にするなど、様々なシーンでご活用頂けるようになりました。
貴社で眠っている大事なコンテンツをもう一度、活用してみませんか?
弊社は小ロット書籍サービスという小さなビジネスではありますが、だからこそ大事に考えていきます。
錦明印刷株式会社 取締役営業部長 本間裕一